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THEME 効果音に"ステレオ感"を演出して迫力を出す!~ダブリング編~

効果音は基本的にモノラルで作られることが多いですが、ここぞ!という場面ではステレオ感を出して迫力を演出することがあります。例えば格闘ゲームにおける「超必殺技」演出時などにはステレオ感を出すことで、モノラル音源の通常必殺技との差別化を図って迫力の感じ方を変えるときに役立ったりします。

 

今回はこのような効果音をステレオ化するときに使う「ダブリング」という方法をご紹介します。

ダブリングとは?

ダブリングは、一般的に音楽のミックス時に使われるテクニックのひとつです。主にギタートラックに使われます。パワーコードでズンズン進行していくような場面では、ギタートラック1本では迫力に欠けてしまうときがありますので、これを解消するために同じパートを複数テイク録ってそれぞれを左右にパンで振ることでステレオ感と迫力のある音にしてしまうテクニックです。

 

実際に音を聴いてみましょう。

▼ギター一本のモノラル音源

- ギター一本のモノラル音源
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このフレーズと同じ演奏をもう一度録音し、それぞれを左100%右100%にパンを振った音源がこちらです。

▼ダブリングしたギター音源(※ヘッドフォンまたはステレオスピーカーでお聴きください

- ダブリングしたギターフレーズ
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聴こえ方が全く違いますよね。ポイントは、最初に録音したフレーズをコピーして貼り付けるのではなく、もう一度同じように演奏したフレーズを貼り付けていることです。

 

最初に録音したフレーズをそのままコピーペーストして左右に振ると、定位が真ん中にきてしまいモノラル音源となんら変わらなくなってしまいます。人間の耳は、まったく同じ音を同じ音量、距離で左右から聴くと真ん中から聞こえてくる性質をもっています。スピーカーが二つあるのに音が真ん中から聞こえてくるのはこの性質を利用しています。

 

それに対して、人の演奏は同じフレーズを弾いたつもりでもタイミングや音量など微妙なズレが必ず生じるので、完全に同じフレーズは弾くことができません。その微妙なズレが、左右に広げた時にかえって「違いのある音」と認識でき、ステレオ感を感じることができるんですね。

効果音にダブリングを応用する!

このダブリングがギターに使えるのなら、効果音にも応用ができるはずです。さっそく色んな効果音で試してみましたのでお聴きください。

▼打撃音をダブリング(上がオリジナルで下がダブリング)

- 打撃音モノラル
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- 打撃音をダブリング
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刀の斬撃音をダブリング(上がオリジナルで下がダブリング)

- 刀の斬撃音モノラル
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- 刀の斬撃音をダブリング
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▼雷効果音をダブリング(上がオリジナルで下がダブリング)

- 雷効果音モノラル
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- 雷効果音をダブリング
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いかがだったでしょうか?このようにステレオ感+迫力を出したい時にはとても有効なテクニックなので是非お手持ちの素材でも試してみてくださいね!それではまた来週!

効果音メモ

左右にパンを振るときに、50%/50%、30%/30%、など定位の振り分け方によっても印象を変えることができます。演出したいシーンに合わせて調整していくとよいと思います!(^^)

OGAWA SOUND:小川

今週の記事はいかがたっだでしょうか?効果音について少しでもご興味や関心を頂ければ大変嬉しく思います。

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