HOW TO MAKE SOUND EFFECTS
効果音を探すのをやめ、
あなた自身で効果音を作ってみませんか?
THEME ゲコゲコ!割り箸で作るカエルの鳴き声
鳴き声シリーズ(?)第二弾として、今回はカエルの鳴き声を作ってみます。使う素材は「割り箸」です!割り箸を使ってどんなカエルの鳴き声ができるのか?さっそく始めましょう!
割り箸でカエルの鳴き声を真似る
割り箸を用意します。だ いたい5~6本用意し、割らずにそのままの状態で使います。
次に1組を残して、残りすべてを写真のようにキレイに並べて「ガタガタの面」を作ります。この面を手で押さえながら残った箸でこすった音がこちらです。
▼割り箸で作ったガタガタの面をこすった音
ゲコゲコゲコゲコ・・・カエルの鳴き声っぽく聞こえないでしょうか?(笑)鳴き声のリズムと雰囲気は出ているのでこれを元素材として使います!
カエルの鳴き声を分析する
次にホンモノのカエルの鳴き声を聞いてみましょう。これは夏の夜、近くの田んぼで録音したカエルの鳴き声です。
▼カエルの鳴き声(ホンモノ)
カエルの特徴をつかむために、鳥の鳴き声のときと同様、周波数分布図をみてみましょう。
上が割り箸で、下がカエルの鳴き声です。これを見ると、カエルの鳴き声は500Hz,1.5kHz,4kHz付近に分布していて、特に4kHz付近が強いのが分かります。対して割り箸は、1kHz以上から広く分布し、特に10kHz付近が強くでているのが分かります。
この特徴から、カエルの鳴き声に似せるためには
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1kHz以下と4kHz以上の音をEQでカットする。
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1.5kHz,4kHzを強くブーストする。
という加工してやれば、分布図的にカエルの鳴き声に近づけるはずです。
500HZ部分を考慮しない理由は、遠くで鳴いているカエルの鳴き声を再現するためです。鳴き声を聞いてみると遠くで合唱しているカエルと近くでたまに鳴いている声が聞き取れます。500Hzの部分は、この近くで鳴いているカエルの鳴き声なので今回は考慮せずにしておきます。
加工してカエルの鳴き声に近づける!
イコライザーを使って加工するまえに、カエルの合唱っぽくするためにさっきの手法で3種類ほど別のテイクを録っておきましょう。複数テイクを重ねてステレオ感をつけたのがこちらです。
▼カエルの合唱(複数テイク混ぜる)
たくさんのカエルが鳴いている雰囲気がでましたね。それではこの音に対して前項のイコライザーを設定していき ましょう!
ほぼ同じ帯域に分布するようになりましたね!イコライザー適用後の割り箸の音がこちらです!
▼割り箸の鳴き声(イコライザー適用後)
カエルの鳴き声にかなり近づくことが出来ました!最後の仕上げに、リバーブで空間処理をした完成品がこちらです!
▼割り箸 カエルの鳴き声完成
いかがだったでしょうか?鳥の鳴き声のように、似せたい音の周波数がどんな特徴をもっているかを把握できれば、元素材がまったく別のものでもそれっぽい雰囲気は出せますよね。ぜひ周波数分布図を活用してみてください!それではまた来週!
効果音メモ
割り箸はほかにも、「たたく」「折る」「ジャラジャラこする」などでビンタやセミの声、骨を折る効果音などにも変化します!ぜひ試してみてくださいね!(^^)
OGAWA SOUND:小川
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