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THEME 効果音の"アタック感"を強める!!

~マルチバンドコンプレッサー編~

手に入れた効果音や、手作りで制作した効果音が「スカスカで迫力がない・・」「音量が小さく感じる・・」と感じて困ったことはありませんか?その原因の一つとして、"アタック感を感じるための周波数バランス"が崩れていることが考えられます。

 

今日はそんな悩みを解決するために、マルチバンドコンプレッサーを使ってアタック感を強める方法をご紹介します。

1.マルチバンドコンプレッサーとは

マルチコンプレッサーは、区切られた周波数帯ごとに音量の変化を加えることができるエフェクトです。

例えば、

 

  • 低音が弱いから強調して迫力をだそう!

  • 中域だけ強調するために高音部と低音部は小さくしよう!

 

という調整ができます。コレだけ聞くとイコライザーと変わらない印象をうけますね。しかしマルチバンドコンプレッサーはさらに下記のような細かいことも行えます。

 

  • 低音の音の伸びが良すぎるので、低音だけ、ある一定の音量に達したら音量を圧縮して小さくしよう!

  • 高音の音量が小さくなったり大きくなったり不安定なので、一定の音量を超えないようにしよう!

 

このように、単純な音量の増減だけでなく"周波数帯ごとにどのような音量変化の流れをつくるのか"を細かく設定できるのが大きな特徴です。

2.モデルの素材とゴールイメージ

それではさっそくマルチバンドコンプレッサーを使って効果音のアタック感を出してみましょう。

モデルとなる音素材はこちらです。

▼モデルの効果音素材

モデルの効果音 -
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この音に対して、マルチバンドコンプレッサーを使い「迫力があり、低音のアタック感を強めた効果音」を目指します。

2.マルチバンドコンプレッサーの設定

これがマルチバンドコンプレッサーです。「LOW BAND」「MID BAND」「HIGH BAND」の3つにそれぞれツマミの設定があります。ここで低音、中音、高音に分けて音に変化を与えていくんですね。

各ツマミの設定項目は、

 

  • THRES --- どれくらいの音量から反応するかを決める線引きです。小さい音でも反応して欲しいときは左へ、大きい音だけ反応して欲しいなら右へツマミを回します。

  • RATIO --- 音量を圧縮する比率を決めるものです。音を自然に圧縮したいのであれば左へ、極端に音を圧縮する時は右へツマミを回します。

  • KNEE --- 音を圧縮するときのかかり方を決めるものです。ゆるやかに変化させたいなら左へ、急激に変化させたいなら右へツマミを回します。

  • ATT --- 音を感知してからすぐ圧縮するのか決めるものです。アタックを消したいなら左へ、アタックを残したいなら右へツマミを回します。

  • REL --- 圧縮の時間を決めます。圧縮をすぐやめたいなら左へ、圧縮を続けたいなら右へツマミを回します。

  • GAIN --- 音量を増減させます。音量を下げたいなら左へ、音量を上げたいなら右へツマミを回します。

また、左に見えるマス目の図の下にある4つのツマミは、低音、中音、高音の範囲を決めるためのツマミです。音によって区切りたい範囲は変わりますので、ケースバイケースで設定します。

上記の設定を踏まえて今回設定したのがこちらです。

今回の設定項目の中で注目ポイントが赤く囲った部分です。

まず、コンセプトが低音のアタック感を出したいことなので、聴こえにくい低音のGAINをフルにあげています。またアタック感を強調するためにATT、RELも右へフルに回しています。こうすることで、「ボ~ン」というぼやけた低音だったのが「ボンッ・・」とハッキリアタックを感じる音にしています。また、各バンドはすべてATTを右へフルに回していますね。これもアタックを強調するためです。

 

一番左の全体の音量を増減させるGAINもフルです。これは音圧を高くして音に迫力が出るようにするためです。音が歪まないように上のスイッチでLIMITTERをオンにしています。

 

それでは設定後の音と原音を聞き比べてみましょう。

▼原音の効果音

モデルの効果音 -
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▼マルチバンドコンプレッサー適用後の効果音

マルチバンドコンプレッサー適用後 -
00:00

いかがだったでしょう?マルチバンドコンプレッサーをかけた後は、迫力、アタック感ともにパワーが増したように感じますよね。このようにちょっと物足りないと思った効果音でも、エフェクトで加工することで劇的に印象を変えることができます。是非ためしてみてくださいね!

 

効果音メモ

効果音におけるエフェクトの使い方は、音楽とは違って極端な設定を試すこともポイントだと感じます。ゴールはイメージに近づけることなので、ツマミをおそれずどんどん回して変化を感じるのが使い方を知る第一歩かもしれません!

OGAWA SOUND:小川

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